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2020-09

離婚届の用紙の改正について - 2020.09.21 Mon

 先日、離婚届の用紙を改正するかもしれないというニュースがありました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200909/k10012608931000.html

 離婚届の用紙に養育費の具体的な内容について記入する欄を設けるなどというもので、趣旨としては離婚後の養育費の不払問題を解消するためとのことです。

 離婚届の用紙ですが、2012年にも改正されたばかりです。この時の改正により、離婚届の中に面会交流や養育費について協議をしたかどうか、というチェック欄が設けられることになりました。
 ただ、これはあくまで話し合ったかどうかについてチェックするだけです。安易に離婚届を提出する前に、きちんと重要な点について話し合うよう促すためのものといえるでしょう。

 他方、今度の改正ではそこから一歩踏み込んで、恐らく養育費の月額について記入するような方向で検討しているものと思われます。
 ただ、実務的な観点からすると、このような扱いにはやや疑問が残ります。
 というのも、これは法的には離婚届が養育費の合意書も兼ねることになると解されます。そうすると、合意済みの養育費の請求は、家庭裁判所における調停審判ではなく、地方裁判所での裁判となります。また、裁判では当然に将来請求が認められるとも限りません。そのため、もし不払問題が生じた場合、かえって請求者側の負担が大きくなるのではないかと予想されます。
 また、離婚届の養育費の月額を勝手に記入された、という事例も生じてくるのではないかと予想されます。実際、離婚届に自分の署名捺印だけして相手に渡すというケースは多いように思われます。
 それでも、合意した月額に関わらずに改めて養育費を決めて欲しいということで、家庭裁判所の調停審判を行うことも考えられますが、そうすると何のために離婚届に養育費の月額を記入することにしたのか、という根本に戻ってきます。
 養育費の金額の合意は離婚成立の要件ではないので、もし離婚届に養育費の金額を記入していなかったとしても、役所としては受理しないわけにはいかないでしょう。そうすると、ますます何のための記入欄なのかという疑問が出てきます。

 以上のとおり、離婚届に養育費の金額の記入欄を設けることは、不払問題の解消のためには実効性がなく、かえって問題が生じる恐れがあると考えます。
 個人的な見解としては、そこまで国が介入するようなことではなかろうとも思います。





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※本記事に記載の情報は公開時時点のものです。法令変更等により実情が変わる場合があります。

養育費の支払いが免除されるケース - 2020.08.11 Tue

 一度決めた養育費の金額の変更には「事情の変更」が必要だということは前回の記事でご説明しましたが、それでは養育費が0円になるという場合はあるのでしょうか。
 (最初に決めた養育費の支払いが完了した場合を除きます)

 結論から言いますと、養育費を払わなくて良くなるという場合は、あります。

 それは、夫婦が離婚し、母親が子を引き取った場合に、母親が再婚し、再婚相手が子と養子縁組をした場合です。
この場合、子の扶養義務は、まず養父である再婚相手が負うこととなります。そのため、実父は基本的に扶養義務を負わなくなり、養育費を支払わなくて良くなります。
 肝は養子縁組をしたかどうかなので、もし再婚しただけで、再婚相手が子と養子縁組をしていない場合には、扶養義務は実父が負っているので養育費を支払う必要があります。

 なお、もし調停や審判などで養育費の支払いを取り決めている場合には、そのままでは調停や審判に基づいて養育費の支払いを続けさせられてしまう恐れがあります。
 もし相手が再婚して養子縁組もしたのに、養育費の支払いだけは続けさせられているという場合には、「事情の変更」に当たるとして調停や審判で養育費の支払いを無くすことができます。





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一度決めた婚姻費用や養育費の金額の変更 - 2020.08.03 Mon

 別居中の夫婦であっても、夫婦である以上は法的にお互いに扶養義務を負います。これは、別居中の生活費を渡すということになり、法律では婚姻費用と呼ばれます。
 子のいる夫婦が離婚しても、夫婦関係は解消されても親子関係は解消されないので、子と別居していても親子である以上は法的に扶養義務を負います。これは、別居親が子と同居している親に子の養育費を渡すということになります。法律ではそのまま養育費と呼ばれます。

 婚姻費用や養育費の金額は、基本的にお互いの合意によって決まります。一般的には「月額2万円」などというように決めることが多いです。
 もしお互いの合意ができない場合、家庭裁判所で調停や審判という手続を行います。そのときは、お互いの年収に基づいて算定することが多く、裁判所ではそのための算定表が用意されています(昨年末に算定表が改訂されました)。

 一度決めた婚姻費用や養育費の金額を変更したいという場合、お互いが変更について合意すれば難しいことにはなりませんが、合意ができないときもあります。合意ができないとき、それでも金額を変更したいという場合は、家庭裁判所で調停や審判を行うこととなります。
 ただし、家庭裁判所で金額の変更が認められるためには、「事情の変更」が必要となります(民法880条)。
 「事情の変更」とは、収入が大きく増減した場合や再婚した場合などが該当します。
 したがって、なんとなく生活が厳しくなってきたから変更したいというような場合は認められません。

 さて、この事情の変更ですが、最近の新型コロナウイルスの影響で収入が減少した場合も該当しうると考えられます。
 裁判所でどのように判断するかは事案の集積がまだなので不確定ではありますが、新型コロナウイルスの影響で退職したというような場合は、従前の傾向からしても金額の変更が認められやすいと考えられます。





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夏季休業のお知らせ - 2020.07.27 Mon

 当事務所は令和2年8月13日(木)と14日(金)はお休みさせて頂きます。

 ご迷惑をお掛け致しますが宜しくお願い申し上げます。





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「訴状が届いてないのでコメントできない」の報道の理由 - 2020.06.08 Mon

 緊急事態宣言が解除されたので、少しずつ当事務所の営業も戻りつつあります。
 とはいえ、あいかわらず札幌市内は日本全国でも感染の恐れが高いようですし、札幌市内外での往来を控えるように要請されたりしているので、完全に元通りになるにはまだ時間がかかりそうです。
 そういうわけで、日時によってはお電話がつながりにくかったりメール等のご返信が遅れる場合がありますので、何卒ご了承頂けますようお願い申し上げます。


以下、余談です。


 以前このブログで、「訴状を受け取っていないのでコメントできない」という報道について、「どうして訴状が届いていないと分かっていながら訴えられた側にコメントを求めるのだろうか? 報道関係者に訊いてみたいところだ」みたいなことを描きました。

http://kuzunohalo.blog.fc2.com/blog-entry-97.html
※2016年5月23日の投稿

 これについて、ひとつの答えがネットニュースに載っていました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/42fa159a742539108fb6046bf973c3bbe454a0d7?page=2
※2020年6月7日配信の記事

 要するに、「原告側と被告側の両論併記のため」、とのことです。
 まあ、被告が側としては、「訴状が届いてないためコメントできない」とか、せいぜい「訴状が届いたら適正に対応する」くらいのことしか言いようがないですよねえ……。





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Author:弁護士 佐瀬達哉
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